あらすじ
劔樹人(松坂桃李)の人生は、まだ始まる前のところで終わったかのようだった。大学での夢は挫折し、就職には失敗した…。そして、キャリアの見通しもない。無一文で彼女もできない。幸せとは無縁の男だった。そんなある日、彼は友人からミュージックビデオのDVDを貸してもらう。そのDVDを見て、彼はハロー!プロジェクトの女性歌手・松浦亜弥に一目ぼれをする。劔は様々なアイドルグループの後を追うようになった。そうしているうちに気の合う青年らにも出会う。
かつてポップグループのベーシストになることを夢見ていた彼は、彼らとバンドを結成することを決めた。バンドは、同じアイドルグループのファンの間で小さなカルト的な人気を集める。そして、バンドメンバーの間には固い友情が芽生えた。だが、趣味のバンド活動は長くは続かず、やがて彼らは他のことで時間を過ごすようになる。しかし、劔樹人のバンドメンバーの一人が末期の肺がんと診断されたことをきっかけに、バンド活動の過去が蘇る。バンドは最後にもう一度の再結成を実現できるのか。そして、仲間の最期の苦しみを和らげることはできるのか。
『あの頃。』は実話をもとにしており、また、劔樹人本人による自伝的エッセイもベースとなった映画です。
2021年の日本映画で、今泉力哉が監督しました。