あらすじ
シャム双生児のサンヒョン(チョ・スンウ)とドンヒョン(リュ・ドクファン)は文字どおりすべての時間を一緒に過ごしてきた。二人で一つの身体を分け合うことを余儀なくされた兄弟に、それぞれの人生を送る機会はあり得なかった。へき地の家に父親と30年近く同居している兄弟は、家の敷地から出て暮らすことは許されない。そんな制約の多い生活の中でも、二人は夢をみることをあきらめなかった。
児童書の作家になりたいというドンヒョンの夢を知った父は、その実現につながればと心優しい若いアーティストのパク・スンア(ナム・サンミ)を家に招く。ドンヒョンとスンアが一緒に作業をしている間、サンヒョンは後ろで黙っているしかない。弟のフーディの下に隠れている時間が長いサンヒョンは、それまで気にしたことのなかった自分の望みや求めるものについて考え始める。一方、ドンヒョンは「普通」の姿になりたいという切実な欲求はもちろん、さまざまな願いが強まるにつれ、恨みを兄に向けるようになる。
それぞれが永遠につかめないものに必死に手を伸ばしたため、二人の関係に最大の危機が訪れる。兄弟は運命と折り合いをつけられるのか、それとも変化を求める悲痛な願いに追いつめられてしまうのか。
命、愛、喪失の物語『桃の木』はク・ヘソン監督の2012年の韓国映画。