あらすじ
チャン・ソク(ヨン・ウジン) は、イギリスで暮らし、仕事をする小説家だ。7年ぶりに、チャン・ソクは韓国の首都で暮らした日々の記憶を追体験するために、春のソウルに戻って来る。チャン・ソクの生活は小説家という仕事と深く関わり合っており、実生活、虚構、自分の執筆するものの間の境界がぼやけている。この都市の通りを歩いている途中、チャン・ソクはカフェ、バー、美術館、レストランに次々と立ち寄る。
この街を彷徨っているうちに、チャン・ソクはソン・ハ (キム・サンホ)をはじめとして、見知らぬ人たちとの奇妙な出会いを次々とすることになる。ソン・ハは神秘的な仏教の僧侶に関する話を伝えるために、その小説家に近づいて来る男性だ。また、チャン・ソクはミ・ヨン(アイユー)とも出会う。ミ・ヨンは小説を読むことに一切興味がないと言い、人々が一体何故虚構の物語を読むのか、自分には理解できないと主張する若い女性だ。さらにその上、チュ・ウン(イ・ジュヨン)とも出会う。チュ・ウンは、自分のノートに書き込みをしているチャン・ソクに、話し掛けるバーテンダーで、1杯おごる代わりに、チャン・ソクの思い出を「買う」と申し出る。一方、ユ・チン (ユン・ヘリ) という名の編集者には、自分の元恋人について、チャン・ソクに伝えたいと思っている悲劇的な話がある。チャン・ソクがこうした人々の話を聴き、彼らに自分自身の物語をいくつか話しながら、現実と虚構の間の境界線は、さらに一層あいまいになっていく...
『Shades of the Heart』は、 キム・ジョングァンが監督した2021年の韓国映画だ。